三鷹天命反転住宅は、定期的に見学会を行っています。
見学会は90分で荒川修作の事務所の所員さんがガイドしてくれます。
初めに3階の部屋に案内されました。
この集合住宅は全部で9戸で、うち5戸が賃貸で、残りが民泊と、ショートステイと事務所と見学会用になっています。
設計は荒川修作と奥さんのマドリン・ギンズで2005年10月に竣工しました。
正式名は、「三鷹天命反転住宅インメモリーオブヘレン・ケラー」と言います。この住宅のコンセプトは以下の通りです。
生活の中心となる住まいを考えた時、外観の美しさ、利便性やコストばかりがものさしではありません。住まいの中心にはあなた自身が、パートナーが、そして家族が最初に居るのです。だから住まいはわたしたちの身体の延長にある器にあるべきだと考えます。
この住宅はヘレン・ケラーが身体を使い、自然と環境・人間の関係を知ったように。あなたの身体のもつ大いなる希望を見つけ、生命の無限の力を体験できる、まったく新しい住宅であり、命の器なのです。



部屋に入って驚いたのが、床が凸凹していること。床の凸凹の大きさは2種類あって、大人の土踏まずと子どもの土踏まずのサイズなのだそうです。掃除しづらいだろうなぁとガイドさんに聞いてみたところ、掃除機で簡単にできてしまうのだとか。
住宅の床は坂になっていて、天井も床とは逆の傾斜になっているので、両端に身長が同じ人を立たせるとまったく違う身長の人に見えてしまいます。









中央にキッチンがあってそれを囲むように部屋が並びます。部屋には扉がなく開放的です。
収納はほとんどなく天井にたくさんの金具がついているので、そこに長いフックをつけて服やかばんを掛けるユニークな方式です。
内観、外観14色で塗られていて、配色ルールがあります。
それは部屋のどこにいても、必ず6色以上の色が見えるようにすることです。
そうすることでカラフルと認識させるのです。カラフルと認識しることは自然の中にいることと印象が同じだからだそうです。






この住宅の1つに荒川修作の事務所が入っています。基本的に同じ間取りなのですが、色や天井高さなどが違っています。雑多なものが入っていますが、こういうごちゃごちゃした感じも一興だと思いました。









今回参加して驚いたのは、参加者が小さいお子さん連れのファミリーが多かったことです。
気になったので、ガイドさんに尋ねたところ、仮面ライダーの番組のロケ地になってからお子さんが増えたのだとか。元々こどもがのびのび楽しめる空間を目指していたので、子どもウェルカムという感じでした。
荒川修作の作品は、こちらの他に岐阜県の養老天命反転地と岡山の奈義町現代美術館にあるのでそちらも是非訪れたいですね。
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