近江八幡を歩けば必ず出会うのが、赤い瓦や白い壁、どこか懐かしく温かい洋館たち。これらは建築家であり、キリスト教伝道師、そして近江兄弟社の創業者でもあるウィリアム・メレル・ヴォーリズによるものです。
ヴォーリズは「建物は住む人の健康と幸せのためにある」と考えました。その哲学は、100年経った今も街の景色に溶け込んでいます。
街歩きで楽しむ名建築(外観見学)
まずは街に点在する名作を、外観を眺めながら散策しました。
- アンドリュース記念館: ヴォーリズが亡き友人を偲んで建てた、近江八幡での最初の作品。シンプルながらも端正な佇まいに、彼の誠実さが表れているようです。
- 白雲館(旧八幡警察署): 明治時代の擬洋風建築。現在は観光案内所として親しまれていますが、力強いバルコニーが印象的。
- 八幡小学校: 今も現役の校舎として使われている(!)というから驚きです。子どもたちがこんな歴史的な空間で学んでいるなんて、なんと贅沢な環境でしょうか。



内部まで堪能。ヴォーリズの精神に触れる
今回は運良く、内部を見学できるスポットにも足を運ぶことができました。









- ハイド記念館・教育会館: かつての幼稚園。丸窓や可愛らしい装飾に、子どもたちへの深い愛情が感じられます。光が優しく差し込む内観は、まさに「癒しの空間」そのもの。
- ヴォーリズ記念館: ヴォーリズ夫妻が過ごした私邸。こちらは完全予約制で少し敷居が高いイメージがありましたが、その分、静寂の中で彼の生活感や志にじっくり向き合える特別な場所でした。


おまけ:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA
ヴォーリズ建築ではありませんが、近くにある「NO-MA」にも立ち寄りました。昭和初期の町家を改装した空間で、障害のあるなしに関わらず表現されるアートは、ヴォーリズが説いた「ボーダレスな人間愛」とどこか通底するものがある気がして、心打たれる展示でした。


訪れて感じた「ヴォーリズ巡り」の難しさと醍醐味
実際に歩いてみて痛感したのは、「全部を一度に見学するのは至難の業」だということ。 公開日が限られていたり、特別公開の時期がそれぞれバラバラだったりと、パズルのような難易度があります。
でも、だからこそ「次はこの季節に来て、あの建物の中を見てみよう」という新しい楽しみが生まれます。一度にすべてを消費せず、街の歴史とともにゆっくり味わうのが、ヴォーリズ建築の正しい楽しみ方なのかもしれません。
一人の宣教師が、この地方都市にこれほど豊かな文化の種をまいた……その歴史の重みを感じながら、改めて近江八幡という街の深さに魅了された一日でした。





見学のポイント
- 予約必須: ヴォーリズ記念館など、内部見学が必要な場所は早めの予約をおすすめします。
- 歩きやすい靴で: 街中に点在しているため、意外と歩きます。八幡堀の景色を楽しみながら、のんびり散策してみてください。

