VILLA COUCOU
VILLA COUCOU(ヴィラクゥクゥ)の施主は、近藤等(1921-2015/フランス文学者・早稲田大学名誉教授)で、数多くの山岳関係の著作と翻訳を残し、アルプスはじめ世界の山々に登り、フランス政府よりレジオンドヌール勲章受賞、シャモニー名誉市民、日本山岳会名誉会員の登山家としても知られています。
早稲田の山岳部でともに活動した建築家・吉阪隆正が、友人である近藤等の為に設計したのがVILLA COUCOUです。近藤夫人のニックネーム「COUCOUカッコウ」から名付けられました。1952年にル・コルビュジエのアトリエから帰国した吉阪隆正の代表作とされています。色ガラスを嵌め込んだ小さな開口部、トップライトや メゾネット、コンクリートの表情から、吉阪隆正とル・コルビュジエの親密な繋がりをうかがうことができます。
代々木上原の高級住宅地の中に佇んでいます。外観のコンクリートの表情が可愛らしさを演出しています。45分間入れ替え制で1回当たり10名ほどのようです。
玄関の右側に柱に穴が開いているようにみえますが、夜間はそこから光が漏れるそうで、ドアノブの位置が分かるそうです。玄関の三和土に花模様のつるっとしたテクスチャーのものがあって、ここで靴をぬぐのか、その手前で脱ぐのか悩ましいところでした。
玄関入って東側は、書斎コーナーになっています。外から見えるのですが、窓にコンクリートの目隠しがついていて、中の様子は見えなくなっています。所々アートが置いてあり、この兵隊さんのような人形もその一つです。柱を掘って作ったそうです。
キッチンも可愛らしいです。青い色がいいアクセントになっています。収納の1つにエアコンが隠されています。この建物のどこをとっても直線、直角がなくすべてが「規格外」という感じです。
階段が片持ち梁になっているのですが、思ったより頑丈な感じです。階段下のステンドグラスがもコルビジエのロンシャンの教会をオマージュしているようです。
建具が一つ一つユニークな形で小さい空間ですが、いくら見ていても飽きがこない不思議な空間でした。巨匠の設計した個人住宅は外観は拝見できても、内観はなかなかできないものです。本当に貴重な体験をありがとうございました。
VILLA COUCOUは、完全予約制で、毎月「9」の月日が内覧可能となっています。
申し込みはこちらから↓(2024年10月分)
https://villacoucou202410.peatix.com/
終日ONE
代々木上原のこちらでランチをしました。入り口が花屋さんで、奥がカフェになっています。代々木上原にしては比較的リーズナブルでかつ、栄養価が高そうでした。
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