美術館巡りが好きでこれまで数々の展覧会に足を運んできましたが、先日訪れた「十和田市現代美術館」は、私にとっても「初めて体験するタイプ」の、非常に刺激的で面白い美術館でした!
白を基調とした不定形の建物(建築群)自体が美しく、どんな個性的な現代アートもしっくりと馴染む素敵な空間。今回は、音声ガイダンスを利用しながらじっくり巡った全16作品の感想と、街に飛び出した屋外アートの魅力をレポートします。
- 🎧 聴いてよかった!音声ガイダンス
- 🖼️ 印象に残った常設展示作品(16選)
- 1. 《建物―ブエノスアイレス》レアンドロ・エルリッヒ
- 2. 《水の記憶》塩田千春
- 3. 《ゾボップ》ジム・ランビー
- 4. 《スタンディング・ウーマン》ロン・ミュエク
- 5. 《松其ノ三十二》山本修路
- 6. 《あっちとこっちとそっち》山極満博
- 7. 《ロケーション (5)》ハンス・オプ・デ・ベーク
- 8. 《オン・クラウズ(エア-ポート-シティ)》トマス・サラセーノ
- 9. 《念願の木 / 三途の川 / 平和の鐘》オノ・ヨーコ
- 10. 《フライングマン・アンド・ハンター》森北伸
- 11. 《光の橋》アナ・ラウラ・アラエズ
- 12. 《ザンプランド》栗林隆
- 13. 《コーズ・アンド・エフェクト》ソ・ドホ
- 14. 《ウォール・ペインティング / ミラー》フェデリコ・エレーロ
- 15. 《闇というもの》マリール・ノイデッカー
- 16. 《無題 / デッド・スノー・ワールド・システム》ボッレ・セートレ
- 🌸 街とアートが溶け合う「屋外アート&まちなか展示」
- 📝 おわりに
🎧 聴いてよかった!音声ガイダンス
館内では音声ガイダンスを利用したのですが、解説が長すぎず簡潔にまとめられていて大変分かりやすかったです。作品の世界観へスムーズに入り込むことができ、鑑賞の満足度がぐっと高まりました。
🖼️ 印象に残った常設展示作品(16選)
1. 《建物―ブエノスアイレス》レアンドロ・エルリッヒ
8年前に六本木の展覧会で見て以来のファンで、「もう一度見たい!」と強く願っていた作品。体験型アートの面白さを再確認させてもらいました。やっぱり最高です!

2. 《水の記憶》塩田千春
部屋中に張り巡らされた無数の赤い糸。遠くから眺めるとまるで生々しい血のようですが、近づいてじっくり見ると一定の法則や秩序が存在しているように感じられるのが不思議です。

3. 《ゾボップ》ジム・ランビー
窓枠や床の送風口といった、空間の「外エッジ」に沿って引かれたカラフルなパターン。一見シンプルですが、空間全体に強烈なインパクトを与える視覚的効果に惹きつけられます。

4. 《スタンディング・ウーマン》ロン・ミュエク
以前六本木でのロン・ミュエク展で予習していたのですが(六本木にはこの作品はありませんでした)、実物の圧倒的な存在感に感動!巨大でありながらどこか哀愁漂う表情に目を奪われます。

5. 《松其ノ三十二》山本修路
見落としてしまいそうになるほど、自然でさりげない佇まいのアート。松の持つビビッドな緑色だけがくっきりと印象に残ります。

6. 《あっちとこっちとそっち》山極満博
何の動物なのかも分からない、綺麗なものなのか汚いものなのかも判断がつかない……そんな独特で不思議な世界観が漂う魅力的な作品です。

7. 《ロケーション (5)》ハンス・オプ・デ・ベーク
暗闇の中にぽつんと置かれたダイナー。窓の向こうには見渡す限りの道路が果てしなく続いているように見えますが、実際はわずか11メートルしかないとのこと。鏡の効果や遠近法を効果的に使った、見事な視覚の錯覚作品です。
8. 《オン・クラウズ(エア-ポート-シティ)》トマス・サラセーノ
はしごを上って高い位置から眺めることができる作品。見る角度や高さによって全く異なる表情や様相を見せてくれるのが非常に興味深いです。

9. 《念願の木 / 三途の川 / 平和の鐘》オノ・ヨーコ
「念願の木」には来場者の願いが込められたたくさんの短冊が飾られていました。神社の絵馬とはまた違い、訪れた人々のセンスや個性が垣間見えて温かい気持ちになります。

10. 《フライングマン・アンド・ハンター》森北伸
見る角度によって多彩な表情を楽しめる作品。当日は見事な快晴だったため、澄み切った青空との美しい対比がとてもすがすがしく感じられました。

11. 《光の橋》アナ・ラウラ・アラエズ
実際に作品の中へ足を踏み入れる体験型の展示。一歩足を踏み入れると、一気に近未来へタイムスリップしたかのような感覚になります。表側と裏側で表情が全く異なり、どちらも非常に美しいです。

12. 《ザンプランド》栗林隆
作品の下にある穴からひょっこり上を覗き込むと、そこには全くの別世界が!なんと水空間になっており、ミストが充満している光景は想像を絶する驚きでした。運が良いとアザラシの顔を拝むこともできます。

13. 《コーズ・アンド・エフェクト》ソ・ドホ
無数の人形が肩車をして一本の大きなタワーを形成している圧巻の作品。真っ赤から白へと変わる見事なグラデーションで、過去から未来へと命や世代が引き継がれていく様子が見事(そして面白すぎ!)に表現されています。

14. 《ウォール・ペインティング / ミラー》フェデリコ・エレーロ
屋上へと続く階段室全体が鮮やかにペインティングされています。「もしこんなポップで素敵な集合住宅があったら、絶対に大人気になるだろうな」とワクワクしてしまいました。

15. 《闇というもの》マリール・ノイデッカー
一見すると吸い込まれそうなほどリアルな深い森。しかし、下を覗き込むと土台の柱や制作途中の道具などがそのまま残されており、あえて“白けさせる”演出がとても小気味よい作品です。
16. 《無題 / デッド・スノー・ワールド・システム》ボッレ・セートレ
映画『2001年宇宙の旅』をオマージュした作品だそうで、まさに「昔の人が思い描いていた近未来」がそのまま形になって残されているようなレトロフューチャー感が漂います。

🌸 街とアートが溶け合う「屋外アート&まちなか展示」
館内だけでなく、十和田の街全体にアートが溢れているのもこの美術館の素晴らしいところです。
- シンボリックな屋外作品チェ・ジョンファの躍動感あふれる《フラワー・ホース》や、奈良美智の壁画《夜露死苦ガール2012》など、屋外にも目を見張るアート作品がたくさん配置されています。
- 街のいたるところに広がるアートエルヴィン・ヴルムのユーモラスな《ファット・ハウス/ファット・カー》をはじめ、草間彌生の《愛はとこしえ十和田でうたう》が展示されたアート広場、さらには街中に点在するおしゃれなストリートファニチャー(街頭家具)など、見逃せないスポットが満載です。



📝 おわりに
十和田市現代美術館は、建築・作品・そして十和田の街そのものが一体となって訪れる人を楽しませてくれる最高の空間でした。
アート好きの方はもちろん、「体験型のアートを楽しみたい」「街歩きと一緒にアートに触れたい」という方にも心からおすすめしたい美術館です。ぜひ足を運んでみてください!

