職人技の極み!銅御殿(旧磯野家住宅)の見学会に行ってきました

レトロ建築物

文京区小石川に佇む国指定重要文化財「旧磯野家住宅」、通称銅御殿(あかがねごてん)の見学会に参加してきました。見学会の参加費は3,000円超と少々贅沢な設定ですが、実際に中の意匠や木材の質を目にすると、それ以上の価値と深い感動がありました。約1時間、じっくりと職人のこだわりを堪能してきた様子をお届けします。

旧磯野家住宅の歴史と特徴

旧磯野家住宅は、実業家・磯野敬の邸宅として明治末期に着工され、大正元(1912)年に完成した近代和風建築です。その後、所有者は大谷氏へと引き継がれ、大切に守られてきました。

最大の特徴は、何と言ってもその頑丈さと外観の美しさです。 明治大正期の大火や地震を教訓とし、防火・耐震対策として屋根や外壁全面に銅板が張り巡らされています。建設から100年以上が経過した現在は、鮮やかな緑青(ろくしょう)に覆われており、歴史の重みを物語る独特の佇まいを見せています。

その堅牢さは伊達ではなく、先の東日本大震災の際に3階外壁の一部が剥がれ落ちた程度で、大きな損傷もなくほぼ無傷で耐え抜いたそうです。

見どころ:妥協のない木材選定と職人の技

建物内部に入って驚かされるのは、当時の大工による圧倒的な技術と徹底したこだわりです。

  • 大木の1枚板と洗練された意匠 贅沢に使われた大木の1枚板や、複雑で緻密な装飾デザインの数々。直線と曲線が組み合わされた凝った建具は、100年以上経った今でも狂うことなくスーッとスムーズに開閉できます。
  • 「フシ」さえも活かす計算された建築美 特に感動したのが木材の使い分けです。通気口を設けたい部分には、あえて天然の「フシ(節)」がある部分を選んで配置するなど、素材の特性を熟知した職人の粋な工夫が随所に見られました。

贅沢な木材を惜しみなく使い、素材の表情を活かしきった職人たちの執念のようなこだわり。単なる歴史的建造物という枠を超えて、日本の伝統技術の髄を集めた美術館のようでした。

建築や木材の意匠が好きな方なら、間違いなく心満たされる1時間になるはずです。次の公開機会があれば、ぜひ足を運んでみてください!
(※)写真撮影は可能ですが、SNS等に載せられるのは外観のみになります。動画も撮影禁止です。